「世界で最も革新的」オックスブリッジに肉薄する英国の名門大学
世界の名門大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」【傾向編】
■ロイターをして「世界で最も革新的な大学」と言わしめる
同大学は、国際的に高く評価され、世界大学ランキングでは常に上位に位置しています。前述のように、2017年のThe Times Higher Education誌とイギリスQSの大学ランキングで、それぞれ世界8位に入っています。また、科学への貢献、研究成果、新技術の開発、そして新たな市場および産業の育成という観点に基づき、ロイター社から世界で最も革新的な大学という称号を付けられました。科学技術に関心がある生徒にとって、同大学はまさに憧れであり、世界的に突出した学校です。
理系の大学というイメージがある同大学ですが、大学院レベルではMBAや金融修士号の文系科目のプログラムも提供されています。ちなみに、インペリアルのビジネススクールの前身はSchool of Managementですが、ビジネススクールとしての再編を可能にしたのが日系アメリカ人ゲイリー・タナカの多額の寄付金でした。2003年に開校したビジネススクールはタナカ・ビジネス・スクールと命名されました。2008年に改名され、現在はインペリアル・ビジネス・スクールと呼ばれています。
設立当初、インペリアル・カレッジ・ロンドンはいくつかのカレッジ(学位の授与を上位機関に委ねている独立した高等教育機関)とImperial Institute(1887年のビクトリア女王即位50周年に際し、当時の大英帝国国民から寄贈された各国の工業・産業品の展示を目的に設立された機関)により構成されていました。
最初のカレッジは、同大学の創立と考えられている1845年に設立された The Royal College of Chemistryで、その後10年を経ずして、1851年にThe Royal School of Minesが設立されました。1881年には、最も新しいカレッジであるThe Royal College of Scienceが設立されました。最後に、ビクトリア女王による大英帝国における研究の推進を記念して、Imperial Instituteが1887年に設置されました。1907年には大学設立が正式に許可され、これらの機関が合併し、インペリアル・カレッジ・ロンドンとなりました。
同大学のキャンパスはロンドンとサニングヒルに点在していますが、メインキャンパスはロンドン中心部のサウス・ケンジントンにあります。博物館や、ショッピングモール、図書館など多くの文化施設を有する富裕な地区で、ロンドンで最も地価の高い地区の一つとして知られています。
例えば、2016年にロンドン市が公表したレポートによれば、ケンジントンは英国議会議事堂が入るウェストミンスター宮殿やバッキンガム宮殿があるウェストミンスターに次ぐ宅地価格となっています。